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睡眠学習は可能!? 第10回

記憶は睡眠によって固定されます。

睡眠が記憶や技能の習得に役立っていることは、

古くはローマ時代より知られています。

睡眠不足で試験に臨むよりも、しっかり睡眠をとったほうが良い成績を取れること。

あるいは昼間に練習してなかなかうまくいかなかった技術が、

一晩寝たあとでは不思議とできるようになっていた。

などなど、このようなことはよく聞かれるエピソードです。

では、睡眠学習は可能なのでしょうか?

十分な睡眠が睡眠中の記憶固定に必要である事実を考えると、

「寝ている間に外国語を聞いて覚える」といった俗に言う睡眠学習は、

睡眠の安定性を妨げる意味でも不適切と言えます。

一方、脳は感覚刺激によって睡眠中にも学習することができることを示す

研究結果も出ているそう。

嗅覚や音声刺激などの”手ががり”を睡眠中に与えることで、

起きているときに学んだ記憶が定着されるというものです。


それでは、例となる実験をひとつご紹介します。

経験のない楽器の練習後の仮眠中に、練習していた曲を”手がかり”として

聞かせるという実験。

仮眠中に練習していた曲を聞いたグループの方が、聞かないグループに比べて

楽器を弾く技術が上達したという結果だったのです。

これは、睡眠中に新しい技能を習得したわけではなく、

起きている間に練習した技術が”手がかり”によって、技能が強化されたことに

なります。すなわち、記憶の固定が促進されたことを意味します。

しかし、この実験は仮眠中の刺激実験であり、夜の睡眠に使用すれば

睡眠の質の低下という問題に直面するでしょう。

また、英会話など意味内容を伴うものと、音楽とでは覚える記憶の性質が

全く異ってきます。

現状では、感覚刺激に頼らず起きている間はしっかり勉強や練習を行い、

十分な睡眠を取るのが一番の学習法と言えるのではないでしょうか。

結局、当たり前の結果になりましたが・・・

 

一夜漬けのメリット・デメリット


メリット

まず何と言っても短時間でできること、これが一夜漬けの最大のメリットでしょう。

またテストまでの時間が非常に短いので、直近の記憶で思い出しやすいという

こともあります。

また、焦りがいいように働くので、火事場の馬鹿力的な効果が期待でき、

意外と多くのことを効率よく頭に入れることもできます。

また、夜型の人はお昼に毎日コツコツ勉強するよりは、

一晩でまとめてやってしまったほうが、はかどるのかもしれません。

デメリット

まず長期の記憶には向かないということ。

目の前の差し迫った試験にはいいかもしれませんが、記憶は2時間後には70%、

8時間後には90%以上失われるとも言われています。

また、当然睡眠不足から試験時間中の集中力欠如や、

あまりにも一夜漬けを繰り返すと睡眠障害を引き起こしてしまう恐れもあります。


眠い 犬.jpg


まとめ

睡眠学習は寝ている間に記憶をインプットできる一方で、

余計な音によって睡眠の質を悪くしてしまいます。

あなたは、なんとなく眠れないからといって、テレビをつけっぱなしで

寝たことはありませんか?
実際に試してみたらわかるかと思いますが、睡眠中に余計な音が聞こえると、

人の眠りは妨げられてしまいます。

眠りが浅くなり、本来なら十分であろう時間眠っていたとしても、

疲れが残ったような感覚になります。

そしてこのとき、人間の脳は十分な回復をすることができず、

それと同時に老化が早まったり、頭の回転が鈍くなったり、

記憶力が落ちたりといった弊害まで発生します。

人間にとって質の良い睡眠は必須ですから、必ずしも睡眠学習が得とは

限らないのです。

ぐっすりと眠り、起きてから勉強をするほうが全体的には得かもしれません。

短期的には睡眠学習を試すのも良いかもしれませんが、

寿命や健康、身体の成長のことを考えると、普段から睡眠学習をするのは

やめたほうが良いのではないでしょうか。


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