健康でありたい!

健康であるために、毎日健やかに過ごすために

目を守ろう!緑内障&白内障 第17回

緑内障とは

緑内障は、視神経が障害されて視野が欠けていく病気です。

欠けた視野を元に戻すことはできないため、放置していると視野の欠損が

進んで失明する危険があります。

しかし、視野の欠損が小さい場合は両目で見ると正常に見えることが多く、

なかなか気づきません。

緑内障は日本における失明原因の第1位を占めており、日本の社会において

大きな問題として考えられています。

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特徴として、
書がしにくい
・文字が書きづらい
・自動車の運転がしにくい


といった症状に気付いたときにはかなり進行しています。

早い段階で見つけるためには、定期的に検査を受けることが大切です。

緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査等で診断されます。

定期検診などでいずれかの検査に異常があった場合、必ずもう一度眼科医の

診察を受けるようにしましょうね。

眼圧検査
直接、目の表面に測定器具をあてて測定する方法と目の表面に空気をあてて

測定する方法があります。緑内障治療経過を確認するための重要な検査です。

眼底検査
視神経の状態をみるために、視神経乳頭部を観察します。

視神経が障害されている場合、陥凹(へこみ)の形が正常に比べて変形し、

大きくなります。

緑内障発見のための必須の検査です。

視野検査
視野の欠損(見えない範囲)の存在の有無や大きさから緑内障の進行の

具合を判定します。


治療について

緑内障は、目の内部にかかる眼圧を保つ房水のバランスが崩れることで

起こります。治療では、主に点眼薬で眼圧を下げて進行を抑えます。

緑内障の点眼薬には、房水が流れやすくなるものと、房水が作られにくく

なるものがあります。

房水が流れやすくなる点眼薬にはプロスタグランジン関連薬などがあり、

房水がつくられにくくなる点眼薬にはβ遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬など

があります。2種類の点眼薬を組み合わせた配合薬も使われています。

これらの点眼薬の副作用として、「目がしみる」「かゆい」「充血する」

などの目の症状のほか、「息苦しい」などの全身的な症状が現れる場合が

あります。全身的な症状が現れてきた場合は眼科医に相談してください。

また、薬の効果が実感しにくいため治療をやめてしまう人もいますが、

緑内障の進行を抑え視力や視野を維持するためには、点眼薬を毎日正しく

使うことが大切です。


白内障とは

白内障とは、加齢などにより、目の中の水晶体が濁ってくる病気のことです。

水晶体が濁ると、光の一部が遮られたり、光の散乱などが起こるため、

視界が全体的にかすむ
・視力が低下する
・光をまぶしく感じる
・暗いときと明るいときで見え方が違う


といった症状が現れます。

加齢以外にも、アトピー性皮膚炎や糖尿病、目の外傷、白内障以外の目の病気、

ステロイド薬の長期使用などによって起こることもあり、こうした原因がある

場合には若い人でも白内障になる可能性があります。

また、生まれつき水晶体に濁りがある先天的な白内障もあります。

治療については、進行を遅らせる点眼薬と、眼内レンズを入れる手術です。

白内障は、どんなに症状が進行しても手遅れということはありません。

ただし、他の病気を併発する可能性もありますので、症状が気になったら

眼科を受診しましょう。白内障の治療は、病状の進行段階によって

異なります。

点眼薬は進行を遅らせることが目的で、濁った水晶体を元に戻すことは

できません。白内障が進行して生活に支障を来すようになったら、

手術を検討します。

もしかして・・・と感じたら放置せずに、病院へ行きましょう!

目を守ろう!コンタクトレンズ&ドライアイ 第16回

コンタクトレンズでのトラブル

コンタクトレンズを使用する人は増えていますが、

一方で、使用している人の10~20人に1人が、目に何らかの

障害を起こしているといわれています。

コンタクトレンズによる目の障害の多くは、「毎日のケアを怠る」

「使用時間が過度に長い」「外さずに寝る」などをきっかけに起こります。

特に、コンタクトレンズを外さずに寝ると、角膜への酸素の供給が著しく

不足してしまうので注意が必要です。

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コンタクトレンズには、ソフトレンズとハードレンズがあります。

ソフトレンズは水分を多く含むため、柔らかくてつけ心地が良いのが

メリットですが、痛みなどを感じにくいというデメリットもあります。

たんぱく質や脂質などの汚れが付きやすく、細菌感染も起こりやすくなります。

特に近年は、ファッションを目的としたカラーコンタクトレンズ

使用によるトラブルが増加しています。

カラーコンタクトレンズも高度な管理を要する医療機器ですので、

毎日のケアと正しい使い方を守ることが大切ですね!


トラブルを防ぐために

コンタクトレンズによるトラブルを防ぐためには、

・使い始めは眼科で検査と処方を受ける
・使用時間・交換期限を守る
・レンズはしっかりケアする
・使用中も定期的に検査を受ける

などの注意が必要です。

特に、1日で使い捨てるタイプ以外は、毎日レンズを外すたびに

しっかりケアすることが大切です。

レンズを外す前にせっけんで手をよく洗い、手のひらにレンズをのせ、

洗浄液をつけて、表と裏を指でこすり洗いをします。

レンズケースも毎日水で洗って乾燥させてから使い、3か月をめどに

新しいものに交換します。

コンタクトレンズは医療機器なので、眼科医の検査と処方を受けて、

視力や目のカーブなどが合っているものを購入します。

使用中も3か月に1回程度は検査を受けるようにしましょう。


3つの「コン」に注意!

目の表面を覆う涙は、内側から液と油の層に大きく分けられ、

目の粘膜を保護しています。
液には分泌型ムチンというぬめりをつくる物質が混ざっていて、

まばたきをする際のまぶたと目の表面の摩擦を和らげます。

さらに、液の層の内側は、水分を目の表面全体になじませる働きを持つ

膜型ムチンで覆われています。

いちばん外側に油の層があり、水分が蒸発するのを防いでいます。

ドライアイは、こうした目の表面を潤す働きが低下して、

目の表面が乾燥した状態をいいます。

症状には、

・目が乾く、ゴロゴロする
・目が疲れる、痛い
・涙が出る
・目がかすむ
・目を開けていられない

などがあります。

これらの原因は、

『パソコン』
『エアコン』
コンタクトレンズ

の3つの「コン」によって涙の層が壊れることがドライアイの

三大要因といわれており、注意が必要です。


検査と治療

ドライアイが疑われる場合は、症状などを詳しく聞いたうえで、

・涙の量を調べる検査(シルマーテスト)

・涙の層が壊れるまでの時間を測る検査(BUT検査)

・目の表面を調べる検査(染色検査)

などが行われます。

治療は点眼薬が中心で、以前は人工涙液とヒアルロン酸がよく使われてきました。

2010年以降は、ムチンと水分を増やす働きのあるジクアホソルナトリウムと、

ムチンを増やす作用と目の粘膜の保護・修復をする作用があるレバミピドという

新しい点眼薬が普及しています。

従来の点眼薬より症状を改善する効果が大きく、重症の患者さんにも効果が

あることがわかっています。


眼は大切にしましょうね!

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がんこな便秘 治したい!! 第15回

便秘とは、

週3回未満しか排便がなく、「便が硬い」「強く力む」

「残便感」「腹部の不快感」

などがあり、排便が困難な状態のことです。

便秘で悩む人は、60歳未満までは圧倒的に女性に多く見られますが、

60歳以降になると男女ともに増えてきて、80歳を過ぎると逆に男性の方が

多くなります。

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便秘は、原因によって大きく3つのタイプに分けられます。

「便の通過が遅いタイプ」は、女性ホルモンが影響する便秘です。

「便の出口が緩まないタイプ」は、老化による筋肉の衰えが原因で、

特に高齢の男性に多く見られます。

もう1つが、大腸や肛門に異常がないのに便秘になる「現代型」

呼ばれるタイプです。

ダイエットで食事の量が減ると便意が起こるまでに時間が

かかって便が硬くなる。

トイレを我慢することが多いと便意を感じにくくなる。などが原因です。

そんな便秘の原因は、大腸の不活発にあります。

腸の働きが悪くなることで、大腸本来の機能が失われて大蠕動運動が

起こらなくなることが、原因の9割だそう。

その大腸の不活発が起こる原因は、精神的なストレス、

腸内細菌のアンバランス、睡眠不足などが考えられます。

一般的な便秘の対策は、ヨーグルトや納豆などの発酵食品、

フルーツジュースや便秘茶などの食事による便秘解消法、

運動やマッサージなどの刺激や、薬や漢方などがあります。

これらの共通点は大腸の働きを活性させるものですが、

間違った解消法により便秘が悪化することがあるため要注意です!


大蠕動運動とは

大蠕動は人が夜寝ている間のほんの短い時間だけ起きる現象です。

昼とは違い大腸のダイナミックな動きのことですが、

大蠕動があるかないかが、便秘になるかの分かれ道!

なんと大蠕動は蠕動運動の200倍の活発さで起こります。

蠕動運動は夜の方が活発ですが、昼夜問わず大腸の内容物を

2~3㎝動かす運動です。

夜のうちに大蠕動で動いた内容物が直腸まで行くと翌朝に

便意を催すので、食べ物を直腸まで運ぶために特化した

動きだと言えます。

ただ、この大蠕動が起こらないこともあります・・・

大腸はとてもデリケートなので、以下の原因で大蠕動が起きません。

・寝る直前の食事
・熟睡できていない
  

思い当たる方、いませんか??


蠕動運動には睡眠が関わってくるので、
寝るときは胃の中を空っぽにして、熟睡できるようにしましょうね。


大蠕動運動を起こす方法

では、どうしたら大蠕動運動を促進させて、

便秘を解消することができるのでしょうか?

その答えは「睡眠」にありました。

大蠕動運動は睡眠中に起こりますが、睡眠の質が低いと起こりません。

つまり、大蠕動運動を起こすには「熟睡」することです。

便秘症の人は、寝ているつもりでも熟睡していない恐れがあるのです。


熟睡できないのは、生活習慣が原因?

食物繊維を食べると便秘が悪化!?

便秘改善に効果がある「食物繊維」ですが、

体の状態によっては便秘を悪化させてしまうのです。

健康状態であれば、便秘の予防効果がありますが、

便秘中は逆効果になります。

便秘解消のため食物繊維を一所懸命摂取していた方にとっては

驚きですよね。

食物繊維は腸内で、脂肪分や水分を吸収して膨張します。

便秘とは腸内が詰まっている状態なので、通行止めの手前で

膨張すれば便秘が促進されることになりますよね。

なので、食物繊維は快便後に便秘予防として食べてください!

寝る前の食事が大蠕動を妨害!

食事は、就寝の2~3時間前までに完了することが大切です。

胃の消化活動が終了する前に睡眠に入ると、寝つきが悪く

熟睡できなかったり、腸の蠕動運動が低下したりします。

就寝時は胃を空にした状態が絶対条件です!

ガスが詰まると大蠕動が起こらない!

ガス(おなら)は、大腸の動きを悪くします。

ガスは腸内細菌が内容物を分解するときに出る水素、

メタン、二酸化炭素硫化水素などなどです。

腸が詰まった便秘時には、発生したガスは外に排出できません。

すると腸内細菌と内容物が接触する時間が長くなるので、

さらにガスが発生して、行き場を失くしたガスが大腸を膨張させます。

大腸はこうして悪循環に陥り不活発化していきます。

大腸に溜まったガスを抜く方法!

お腹を下にして「うつ伏せ」状態になり、10分ほどゴロゴロします。

読書やテレビ観賞しながらリラックスしていると、

あっという間の時間ですよね。

その後、骨盤を左右交互に持ち上げる感じで、お腹を大きく揺らします。

これを10回ほど繰り返すと溜まっていたガスが出てきます。

タイミングは就寝前がベストです。

便秘が少しでも改善することを願っております!

頭痛に悩む方 必見 第14回

日本人に「頭痛持ち」は多い?

日ごろから慢性頭痛に悩まされている人、いわゆる「頭痛もち」は日本人の3人に1人くらいとみられます。
慢性頭痛にもいろいろありますが、一番多いのが「緊張型頭痛」で、15歳以上の日本人の22.3%を占めます。
次に「片頭痛」(8.4%)、さらに珍しいものとして「群発頭痛」があります。
いずれも命にかかわるものではありませんが、それぞれの頭痛については、痛みの起き方やそれを引き起こす誘因、自分で対処するためのセルフケアや薬の使い方などが違うので、注意が必要です。

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「緊張型頭痛」の特徴

緊張型頭痛の痛みの程度は片頭痛に比べて軽く、頭全体が重くなって圧迫されるような、
グーッと締めつけられるような痛みがあります。
このうち筋肉のこりからくる緊張型頭痛は、デスクワークで長時間前かがみの姿勢を続けたり、
パソコン画面を長く見続ける人などに多くみられます。
合わない眼鏡をかけていたり、その他の目の疲れによっても起きてきます。
心からくる緊張型頭痛は、職場の人間関係や家族の問題など、精神的なストレスに弱い人に多いようです。
頭痛の起こり方も、漠然とした頭の鈍重感に始まり、1日中持続する傾向があります。


片頭痛」の特徴

片頭痛の患者は女性の方が男性よりも3.6倍も多いです。特に30歳代女性の約20%は片頭痛をもっています。
症状としては、ズキンズキンという拍動性の痛みが、頭の片側(ときには両側)に起こります。
痛みの原因は、血管の周囲が神経原性炎症を起こしたり、血管が異常に拡張するためと考えられます。
発生頻度は月に1、2回ほどで、痛みは数時間から、長い人で3日間ほど続きます。
吐き気を伴い、光をまぶしく感じたり、音にも敏感になります。
また、頭痛の前兆として、目の前にキラキラした光が出現して視野がぼやける「閃輝暗点」という症状が
現れる人もいます。さらに手足が麻痺する人もいます。


群発頭痛」の特徴

毎年決まった時期にまとまって起こる頭痛で、「痛みの王様」と呼ばれるほど激しい痛みが特徴です。
いずれか片方の目の奥に、えぐるような激痛が起きて数十分から3時間ほど続き、痛い方の目から涙が出たり、
充血したり、鼻水も出ることがあります。
1回の頭痛は3時間以内で治まりますが、1度起こると1~2か月くらい、毎日同じ時間帯に頭痛を感じるようになります。患者さんの8割は男性です。

頭の血管が過度に拡張することが1つの要因とみられ、さらに、生体の生理的なリズムを刻む「体内時計」の
不調もかかわっているとの説もありますが、詳しくはわかっていません。
睡眠リズムが乱れると思わぬタイミングで頭痛が起こることがあるそうなので、
できるだけ睡眠は規則正しくとるようにしましょう。

最後に

頭痛に悩むの方々のうち約7割の人は、市販薬を飲んでいるそう。
日常生活に困らなければそれでよいと思いますが、頭痛が頻回となったり市販薬も効かないなど、
症状がひどくなるようでしたら、病院の受診をお勧めします。

その場合、「いつから」「どこが」「どんな」痛みで、さらに「どういう状況で痛みが強くなるか」といったことを
整理しておくと、診察の際に頭痛の分類や治療に役立ちます。
参考にしてくださいね!

周囲に迷惑かけてる!?気になる口臭 第13回

口臭は誰にでもあるものです。

口臭のレベルが最も高いのは起床時で、その後、朝食をとったり歯を磨くと

弱くなり、時間が経つと再び強まり、食事をしたり歯を磨くと

また弱くなっていきます。

口臭の悩みは、実際の強さよりも、「人と話すときに恥ずかしい」など、

他人との関係のなかで起こります。

問題となるのは、他人が不快になるほど、においが強い場合です。

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口臭が発生する主な原因は、舌苔[ぜったい]、歯周病、唾液の減少などです。

舌苔は舌の表面にたまった汚れで、白っぽい色や淡い黄色をしています。

舌苔の中にいる細菌が、汚れを分解して口臭のもとになる口臭ガスを

発生させるので、舌苔が多いほど口臭が強まります。

歯周病菌も舌や口の中の汚れを分解して口臭ガスを発生させます。

唾液には、殺菌作用や口の中の汚れを洗い流す作用があるため、

唾液が減ると口の中が乾燥して細菌が増殖し、口臭ガスが強まります。
そのほか、進行した大きな虫歯や、消化不良・肝機能低下・

糖尿病などの病気が口臭の原因になることもあります。

消化不良では食べたものが胃や腸で停滞し、異常発酵することで腐ったような

ニオイの口臭が特徴です。

また、肝機能低下では毒素が分解されないためアンモニア臭、糖尿病では

アセトン臭という甘酸っぱい臭いがします。

このような場合は歯科医では対処できないので、内科医の受診をお勧めします。


◎簡単に出来る舌苔の除去方法

15cmほどの長さのガーゼを用意して、水にぬらして軽く絞ります。

人さし指に巻いて、軽く前後左右に動かします。

ガーゼは白いのでどれだけ舌苔がたまっていたかを実感することができます。

舌の表面がピンク色になるまで拭き取りましょう。

1日1回、朝食後に行うのがお勧めです。

ゴシゴシやり過ぎには注意してくださいね。


ドライマウスって?

唾液が減って口の中が乾燥する(ドライマウス)になると、

細菌が増えて口臭の原因になります。

しっかりかむことを意識し、唾液分泌を促すガムをかんだり、

鼻呼吸をするようにしたりすると、口内の乾燥を防ぎ口臭対策になります。


◎口臭の治療法

口臭の治療は、原因を特定して取り除くことが大切です。

歯周病が原因の場合は、歯科医院で治療を受けるとともに、

歯をよく磨いて汚れを除去します。

歯間ブラシやデンタルフロスも使いましょう。

唾液が少ない場合は、食事のときによくかむことと、耳やあごの下を優しくなでると、

唾液の分泌がよくなります。

特に、1日の中で最も口臭が強い朝は必ず朝食をとり、

食後に歯を磨くことが大切です。

また、ガムをかむと唾液の分泌が促されるほか、一時的に口臭を抑える効果も

期待できます。

口の中を潤して細菌を繁殖させない環境をつくるために、

水分をとるのもよいでしょう。

舌苔の除去も大切です。1日1回舌ブラシを使ってケアを行いましょう。

口臭が一番強いのは朝なので、朝食をとる前にケアするのが効果的です。

ストレスが原因?・・・過敏性腸症候群とは 第12回

過敏性腸症候群とは?

検査をしても腸に異常は見られないのに、腹痛、下痢や便秘などの

便通異常を慢性的に繰り返す状態を過敏性腸症候群といいます。

過敏性腸症候群の基本的な症状は、腹痛を伴う下痢や便秘です。

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ストレスなどによる自律神経のバランスの乱れが原因とされる

過敏性腸症候群の場合は、吐き気やめまい、頭痛、微熱などの

症状を伴うこともあります。

腹部から離れた部位になるのであまり関連を感じにくいかもしれませんが、

実はこれらも過敏性腸症候群の症状だと考えられているのです。
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また、ガス型の過敏性腸症候群など、お腹にガスが溜まりやすくなる

ケースもあります。

こうなると頻繁にガスが出たり、知らないうちにガスが漏れたりして

臭いが気になってしまいます。

ガスが出ないように我慢していると、血液にガスが溶けて口臭として

排出されてしまったり、汗に溶け出して体臭になってしまうこともあります。

そのほか、血便や腰痛なども過敏性腸症候群の症状として挙げられます。

お腹を壊し続けると血便が出ることがありますし、腸の痛みは関連痛として

腰痛を引き起こすことがあるのです。


過敏性腸症候群の発症では、精神的ストレスのほか、腸自体が過敏になって

通常より反応しやすくなっていることも要因の一つとして考えられます。

腸が過敏になる理由として、感染性腸炎を治療して腸の炎症が治ったように

見えても、軽い炎症が続いていて過敏な状態になっていることがあります。

感染性腸炎の原因菌には、卵が主な感染源となるサルモネラ菌

鶏肉が主な感染源となるカンピロバクター赤痢菌などがあります。

また、ノロウイルスに感染して感染性腸炎を起こしたことがある場合は、

治ったあとも過敏性腸症候群を発症しやすいことがわかってきました。

ほかにも、腸内細菌のバランスの乱れも影響していると考えられています。

腸内には、さまざまな腸内細菌が生息しています。

抗菌薬などの影響でそのバランスが乱れ、健康に有益な“善玉菌”が減り、

有害な“悪玉菌”が増えると、悪玉菌の毒素によって腸が過敏になってしまいます。

一般に過敏性腸症候群が命に関わることはありませんが、

生活の質を著しく下げる病気といえます。

このように非常に種類の豊富な過敏性腸症候群の症状ですが、

基本的には自律神経のバランスの乱れが関係しており、ストレスによって

症状が悪化するのは共通していることです。

食生活や生活習慣の改善だけでなく、ストレスを減らすように心がけること、

場合によっては心療内科を受診することも必要かもしれません。

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つらい肩こり 放ったらかし注意! 第11回

肩こりの中には、単純な姿勢の悪さや目の疲労が原因ではない、

病気が潜む危険な肩こりもあります。

手や腕に痛みやしびれが出たり、ひどく悪化していく肩こりの場合は、

病院で検査を受けたほうが良いとされています。

今回は症状別に病院選びのポイントをお伝えできればと思います。

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◎肩こりで病院へ行くのは恥ずかしい?

まず初めにお伝えしたいこと。

肩こりでの受診は、恥ずかしいことではありません。

肩こりの程度やそれに伴う症状によっては、病院で検査を受けたほうが

良い場合もあるため、肩こりの自覚症状が出始めたら、その変化について

メモをとっておくと良いでしょう。

肩こりになる原因は、人により様々だと思います。

同じ姿勢が続くデスクワークや、日々の運動不足などは、

多くの人に当てはまるかもしれません。

マッサージなどで痛みを緩和しても、根本的な原因を取り除かなければ

ずっと肩こりと付き合うことになります。

また、肩・首の付け根を触って「ちょっと硬くてコリコリしてるかなぁ?」と

感じるだけだったものが、放っておくと、ひどくなる場合があります。

では、いざ病院へ行こうと思った場合に何科へかかればいいのでしょうか。


◎整形外科を受診すべきケース

整形外科は、捻挫や、関節、神経など、体を動かす時に使われる部分の

異常についても診療範囲になりますので、肩こりのような筋肉の硬くなった

ツライ状態も、診てもらうことができます。

肩こりが進み、筋肉の緊張が原因である頭痛を経験している人も多いと思います。

頭痛の他にも、腕や手のしびれ、痛みなどが出てくることもあり、

「ただの肩こり」では済まなくなるかもしれません。



神経内科を受診すべきケース

肩こりだけでは、神経内科へ行く人は少ないですが、「肩こりもあるが、

他の症状も心配だ。」という場合の受診が多いようです。

頭痛、めまい、ふらつき、手、腕へのしびれ、力が入らないなどの症状では、

筋肉や神経、脳、脊髄に異常が無いかどうかを検査します。


肩こりからとは思えないような、今までに無いひどい頭痛、嘔吐では、

最初に脳神経外科の受診となるかもしれません。

また、左右の手、腕へのしびれ、脱力感などの症状が同時に出た場合も、

脳神経外科での診療対象となります。

肩こりで大切なことは、放っておくと生命に危険な肩こりということはないか、

はっきりさせることです。

病気が隠れていなければ、肩こり自体を緩和させる治療を受け、

症状が悪化しないようにしてくださいね!